令和4年4月から、不妊治療に保険が適応されました
保険が適応される不妊治療
一般不妊治療
- タイミング法
- 人工授精
生殖補助医療(体外受精)
- 採卵→体外受精または顕微授精→胚培養→胚凍結保存→胚移植の各治療
- 胚移植における
1)アシステッドハッチングを実施した移植
2)高濃度ヒアルロン酸含有培養液を使用した移植
保険が適応される治療回数および年齢の制限
- タイミング法、人工授精には回数および年齢の制限はありません。
- 体外受精については以下の制限があります。
体外受精の治療開始にあたっては、外来にてパートナー様同士、お二人が揃ったところで体外受精の進め方について詳細な説明を受けていただきます。
その上で体外受精の「治療計画書」を作成し、お二人の署名をいただき、この日が体外受精の治療開始日となります(治療が始まった日ではありません)。
この治療開始日において1) 女性の年齢が40歳未満(40歳の誕生日前日まで)である場合は6回、40歳以上43歳未満である場合は3回に限り保険診療の対象となります。
2)卵子の得られない採卵、卵子が得られても受精しない場合、受精しても発育が停止して移植を実施できない場合は治療回数にはカウントされません。
回数として考慮されるのは胚移植まで至った採卵、または以前の採卵で得られた凍結胚を融解して移植した治療です。3)上記規定は、保険診療における治療回数をカウントするもので、保険診療外(2022年3月末までに自費診療で実施した採卵、胚移植など)の治療はカウントしません。
4)保険診療の制限回数内(6回または3回)で妊娠できず、その後、保険診療外で体外受精の治療を受け妊娠・出産に至った場合、つぎの児の妊娠を目的として体外受精を再開するときは、年齢要件を満たせば、改めて保険診療による体外受精を1回目からとして開始することが可能です。
5)胚凍結の維持管理期間は、従来は凍結開始日から3年とされていましたが、2024年6月より期間の制限がなくなりました。
書面でお二人の凍結保存延長の意思を確認し、規定の書類に署名していただくことで制限なく凍結延長が可能です。6)保険で実施する体外受精の治療では、凍結保存胚をすべて移植してからでないと次の体外受精(採卵、胚凍結、融解胚移植の一連の治療)の治療には進めません。凍結胚を貯めておくこと、いわゆる「貯胚」はできません。貯胚を希望する場合には、採卵、凍結保存、融解胚移植の一連の治療はすべて自費で行うことになります。
- 高額療養費制度
同一月に高額な医療費の自己負担が必要になった場合、限度額を超えた分について払い戻しを受けられる制度です。事前に「限度額適用認定証」の発行が必要です。詳しくは、国民健康保険はお住いの市区町村、その他の健康保険はご加入の保険組合にお問い合わせください。 - 一般の生命保険
最近の生命保険には、生殖補助医療が保険料の支払い対象になっているものがあります。詳しくは、ご加入の生命保険会社にお問い合わせください。
生殖補助医療における医療費の助成
生殖補助医療に保険が適応されましたが、それでもなお、かなりの自己負担が発生します。以下の負担軽減方法を考えてみてはいかがでしょうか。
なお、不妊検査/治療料金は外来でお渡しする冊子をご参照ください。