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第4回 「病気を知ることがワクチン」femalelife club掲載記事

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femalelife clubに井上院長が寄稿した記事を許可を得て、転載いたします。

【femalelife club】http://www.femalelife.jp/club/backnumber/114.html

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2014年があなたにとって実り多い年になりますように。
そのためにはまず健康であること。
健康をガードする第一の盾は知識です。フィメールライフ通信は、
今年も女性の身体と心について役立つ知識を提供してまいります。
スタートはSTD(性感染症)について。愛し合うパートナーがいる方、
今はいない方もぜひ読んでください。
STDは男性より女性に症状が現れにくい病気です。

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第4回
「病気を知ることがワクチン」

12月1日は「世界レッドリボンデー」でした。
レッドリボンはアメリカで始まったエイズ患者とHIVの
感染者の方々への理解と支援のシンボルです。

エイズとはAcquired Immune Deficiency
Syndrome (後天性免疫不全症候群)の頭文字をとった病名です。
エイズ患者とHIV(エイズウイルス)感染者数は、その啓発や治療が
普及され始め、この数年は新規患者数・志望者数は減少傾向にありますが、
日本は唯一先進国で、HIV感染者が増加しているのが現状です。
厚生労働省のエイズ動向委員会の報告によれば、2013年度1-9月
献血でHIVの抗体陽性者は55件(前年度は56件)でした。

日赤の安全検査をすり抜け、HIV感染者の献血が治療の為に輸血した
男性に感染したニュースに驚いた方は多かったと思います。
安全管理では大丈夫とみなされていたこの日本で、確実にエイズ患者も
HIV感染者も増加しています。感染の有無を調べる目的に日赤に献血
しても、たとえ感染者であっても本人には告知されません。

無料で検査を受けたければ、保健所で無料で無記名で実施してくれます。
HIVに感染しても抗体が上昇して陽性に出るまでには空白期間があります。
綿密な問診を行っても献血者本人が嘘をついて感染の機会はなかったと
申告してしまえばスクリーニング検査ではすり抜けてしまいます。
病気についての知識を持つことが、感染の予防や、患者さんに対する
偏見をなくし理解や支援に繋がります。12月になると、世界でも
日本でもミユージシャンがチャリテイーコンサートを開催したりして
レッドリボン活動を目にすることも多いのですが、実は医師、看護師
などの医療従事者でもレッドリボンを知らない人も多いんです。

エイズは性感染症(Sexually Transmitted
Disease:STD)の1つです。
STDとは性行為で感染する病気です。エイズ以外に、クラミジア、
性器ヘルペス、淋菌、尖圭コンジローマ、トリコモナス、梅毒、
毛じらみ、肝炎などがあります。
昭和初期に多かった梅毒は近年は減少し、最近は全く自覚症状に乏しい
クラミジア感染やHIV感染が広がっています。
男性に比べ女性はSTDに感染しても自覚症状が乏しい為、気が付かない
うちに進行し、不妊症の原因になったりすることもあります。
STDの中には性行為を介してしか感染しないタイプのものと、エイズや
肝炎などのように輸血を介しても感染するものもあります。
外来でも若い患者さんで、帯下が多いとか症状はなく全く元気で健康だと
思っていた女性がクラミジア感染が原因で卵管の癒着をし、
不妊症の治療を受けないと妊娠出来なかったケースに遭遇します。
望まない妊娠を避ける目的でピルを服用する際にも、
STDの予防にはコンドーム装着が有効な手段です。
知識で将来の自分の人生を守りたいですね。

病気についての知識は、副作用のない無料で最高のワクチンです!
エイズを予防し、誤解や偏見をなくす為には、病気の理解、知ることが
ワクチンです。性感染症は愛し合う事で感染する病気です。
人生を大切に考えるなら、学んでおきましょう。
インターネットには情報があふれています。

Posted on 2014/07/25

井上レディースクリニック

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