医院トピック

第3回 「子供を育てる人生もいいですよ…」femalelife club掲載記事

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femalelife clubに井上院長が寄稿した記事を許可を得て、転載いたします。

【femalelife club】http://www.femalelife.jp/club/backnumber/112.html

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産科医としてコウノトリ役を日々はたしている
井上先生の切実な3つの願いとは?
先生が熱く語る日本の結婚と出産の現状を、
貴女はどう感じるでしょうか。
ママと呼ばれる日スタンバイの方、何時か赤ちゃんをと望んでいる方、
そして全女性に読んでいただきたいレポートです。

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第3回
「子供を育てる人生もいいですよ…」

*11月はオレンジリボンキャンペーンです。*
オレンジリボンは2004年、日本で始まった「こども虐待防止」の
運動のシンボルです。厚生労働省は2007年11月から毎年11月を、
児童虐待防止推進月間として各地域でオレンジリボン啓発活動を
推進しています。
11月になると多くの国会議員が胸にリボンをつけているのにお気付に
なった事ありませんか?
エイズ啓発のレッドリボンや、乳がん啓発のピンクリボンより馴染みが
ない方も多いと思います。私のクリニックでは「こども虐待」という
言葉が切なくて、「楽しく子育てしよう!」とポジテイブに言い替えて
活動しています。
豊かになったこの国で、児童相談所に寄せられた児 童虐待相談数は
この22年間で約60倍に増加しました。死亡事例は年間50件を超えて、
1週間に1人の子供が命を落としています。
新聞やメディアに子供達の悲しいニュースが話題にならない日は
ありません。
日頃、産婦人科医師として「お産」に立ち会っている私には
信じがたい事実です。
昔はお産は 命がけでした。現代では子育てにも命がけ、コウノトリ役の
私の祈りは3つになりました。1つ 無事に授かり無事に生まれますように!
2つ 無事に育てて貰えますように! 3つ 子供はいつか素敵な大人になって、
社会にちゃんと居場所が見つかりますように! 「毎年約100万人の
赤ちゃんが誕生、80万人以上が引きこもりの大人」という日本です。
少子高齢化のこの国では「子供は宝」。日本の人口の4人に1人が65歳という
この国で政府は必死で少子化対策を模索していますね。オレンジリボン活動が
不用な社会が理想ですね。
子供のような親、大人のような子供、誰でもスマホで情報が収集できる
時代なのに、子育てが不安なママは増加中。
*できちゃった婚って幸せ?*
私の外来では不妊症で悩むご夫婦も多いのですが、反面いわゆる
「でき婚」のカップルも約4組に1組の割合です。最近ニュースになる
できちゃった婚の芸能人のニュースも当たり前のように多く、一昔前の
ように「えーっ」という感じではなく、「授かり婚」「おめでた婚」など
市民権を得たように思います。厚生労働省のデータでは、でき婚は
平均26%、15-19歳 81%、20-24歳58%、
25-29歳19%、30-34歳 10%、35歳以上10%でした。
10代の8割、20代前半の6割ができ婚だそうです。子供を産むのは
素晴らしい事です。愛する人の子供を産む幸せ、女性にとっては最高の
瞬間である事は産婦人科医師の私はいつも感じています。
でも、そんな瞬間、そんな数年から一転、子育てで悩み苦しむ女性も
多く診て来ました。家族が、本人が末永く幸せなら順番なんてどうでもいい、
頑張り屋さんのヤンママも何人も見て応援してきました。反面、20代前半の
離婚率は他の世代に比べて高値です。19歳以下58%、20-24歳42%と
いう報告もあります。できちゃった婚離婚率44%をどう感じますか?
ちなみにでき婚が日本で1位は沖縄県、離婚件数第1位も沖縄県、
母子家庭・父子家庭率1位も沖縄県です。

*避妊の失敗?*
でき婚の原因の1つは不完全な避妊です。日本人の78%は避妊法として
コンドームを使用していますが、コンドームの失敗率は3-14%と
言われています。
これに比較してピルは正しく内服すれば避妊失敗率は0.1%です。
ピルは1960年にアメリカで承認されて以来、世界の多くの女性に
経口避妊薬として利用されてきましたが、日本では血栓症やがんの
リスクが高くなるなど副作用が度々話題になったこともあり、

海外のように普及してはいません。
諸外国では、処方に際して医師を受診せずに購入できる国もありますが、
日本では、1999年に認可された副作用のより少ない低用量ピルにも
医師の処方箋が必要です。
2012年の日本の人口中絶術は約20万件でした。
子作りの結果子供が出来た割合は、日本36%、アメリカ43%、
フランス66%。避妊に失敗して子供が出来た割合は、日本 36%、
アメリカ19%、フランス12%で日本のでき婚率は群を抜いています。
昨今の低用量ピルは月経困難症の治療薬として保険適応も認可された
ものもあります。
低用量ピルには、避妊の効果だけでなく、卵巣がん、子宮体がん、
さらに、不妊の原因ともなる子宮内膜症に予防効果がある等の報告もあり、
多くの副効用があることもわかってきました(注)。
でき婚の多い反面、アラフォーの声を聴いてからの晩婚化のこの時代。
女性が自立し、生きていく為の健康管理にはぜひ正しいピルの利用方法も
知って欲しいですね

子供は産みたい時に、産みたい数だけ、産みたい人の子供を!
バースコントロールは女性の主体的方法である低用量ピルで。
自分のライフスタイルをもう1度見直ししてみませんか?
愛する人の子供、いつか産んでみるのかはあなたの勇気次第です。

(注)低用量経口避妊薬(低用量ピル)の承認された効能・効果は「避妊」です。
同様の成分で「月経困難症」の効能・効果で保険適応が認められた製品もあります。