不妊検査の概要

基本検査 (すべて自費検査になります)

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1はじめに

  1. 以下の基本検査は、原則として保険診療適応外となります。以下の検査で異常所見が発見された場合、追加で行う精密検査、その異常に関する治療のために処方する薬剤には保険が適応されます。
  2. 初診時、不妊検査または治療目的で来院された方には、不妊カウンセリング料(=初診料)としてカウンセリング以外に不妊検査を行った場合は3,000円とその検査料、カウンセリングのみで他に検査を行わなかった場合は5,000円を頂いております。2回目以後は、行った検査料に再診料を加えたものが診察に必要な費用になります。

2基本体温

不妊症の検査、 治療の基礎となる重要なものです。 外来受診時には、毎回忘れずに基礎体温表を持参して下さい。

3初診時に

内診及び超音波検査により不妊の原因となるような子宮筋腫、 卵巣腫瘍等の有無を検査します。
同時にクラミジア感染症の有無につき子宮頚管分泌物を採取して調べます。クラミジア感染症は無症状のことも多く、放置しておくと卵管の癒着・閉塞の原因になることがあります。

4内分泌検査

  • 月経時にPRL(プロラクチン)、LH(黄体化ホルモン)、FSH(卵胞刺激ホルモン)を測定します。生理的な高プロラクチン血症(妊娠中や産褥期)以外は排卵異常の原因となります。また、LH、FSH値により視床下部、下垂体および卵巣の機能を調べ、排卵機能の評価を行います。
  • 甲状腺機能検査(採血時期は任意)としてFT3、FT4(2種類の甲状腺ホルモン)およびTSH(甲状腺刺激ホルモン)を測定します。甲状腺機能異常は排卵障害や流産の原因になります。
  • 黄体機能検査として高温期の7日目前後(6~8日目)に黄体ホルモンを測定します。高温期での黄体ホルモン分泌不全は受精卵の着床障害や初期流産の原因になります。

5子宮・卵管の形態学的検査(子宮卵管造影法)

月経後の基礎体温の低温期に、その月経周期は避妊をした上で子宮腔内に造影剤を注入してレントゲン撮影を行います。また、 注入した造影剤の腹腔内での拡散状態の確認のために翌日にもう1枚レントゲン撮影を行います。この検査を行った当日は入浴を控えて下さい。 また、 抗生物質が3日分処方されます。この検査は左右卵管の通過性を確認し、さらに子宮内腔の形態異常を検査するもので不妊検査では特に重要なものです。

6(夫)精液検査

4~5日の禁欲期間の後に行います。 必ずフーナーテストの前に検査をしておいて下さい。

7フーナーテスト (性交後検査)

排卵日に合わせて検査当日の朝に夫婦生活をもっていただき、 子宮腔内に運動性の良好な精子が到達しているかどうかを検査します。この検査に先立ち超音波検査による卵胞径や子宮内膜厚を測定し排卵日の正確な推定を行います。精子数が少ない場合や運動性が悪い場合、排卵期の子宮頚管粘液の分泌不全などでは結果不良となり、人工授精(AIH)の適応になります。

特殊検査

1腹腔鏡検査

基本検査で明らかな不妊原因が認められないにもかかわらず、AIHでは妊娠しない場合などで腹腔内の精査目的で行います。これにより卵管周囲の癒着や子宮内膜症が発見されることがあり、軽度~中等度の癒着や内膜症性嚢胞では腹腔鏡下で癒着剥離や嚢胞摘出などを行うことが可能な場合もあります。そして腹腔内の状態に応じて、その後の治療方針(AIH続行、IVFへのステップアップなど)を決定します。

2子宮鏡検査

子宮卵管造影や超音波検査で子宮腔内に異常が認められた場合に行います。これにより子宮内膜ポリープや子宮粘膜下筋腫が発見されることがあります。内膜ポリープや粘膜下筋腫は受精卵の着床障害や流産の原因になることがあり大きいもの、数が多い場合は手術が必要になることがあります。

3(妻)抗精子抗体検査(精子不動化試験)

妻血清中に精子機能を障害する精子に対する抗体が無いかどうかを調べます。
人工授精(AIH)を重ねても妊娠しない場合、体外受精(IVF)を行う前などに検査します。

4特殊な内分泌検査

多嚢胞性卵巣症候群(PCOS)が疑われる場合

排卵障害を来たすホルモン異常のひとつにPCOSがあります。
PCOSの場合、耐糖能異常や男性ホルモンが高値を示すことがあり以下の検査を行うことがあります。

  • 耐糖能検査(空腹時に採血)―血糖値、血中インスリン値
  • 男性ホルモン検査―テストステロン

下垂体機能不全が疑われる場合

無排卵性周期や無月経の方のなかには視床下部や下垂体から分泌されるホルモンが低下している場合や過剰に分泌されている場合があり薬剤による治療が必要になることがあります。

  • LHRH負荷試験(月経中に採血)―黄体化ホルモン(LH)、卵胞刺激ホルモン(FSH)
  • TRH負荷試験(月経中に採血)―潜在性高プロラクチン血症を診断します

抗ミュラー管ホルモン(AMH)

卵胞の発育過程で、卵胞から分泌されるホルモンです。その値は発育卵胞数に比例するため、卵巣予備能を知る良い指標になります。とくに体外受精実施前には必ず検査し、数値に応じて排卵誘発法や薬剤量を決定します。


【ドクターズファイルに掲載されました】晩婚化により、妊娠・出産を望む夫婦の年齢も上がり、不妊に対する悩みが増えてきている。不妊の原因は、女性側、男性側、また双方にある場合があるが、男性においては、なかなか不妊検査や治療に積極的になれず、女性に責任を押し付けてしまうことも多いそう。そもそも不妊とは何なのか、検査や治療ではどのようなことが行われるのか、「井上レディースクリニック」の中田浩一副院長に話を聞いた。(取材日2015年2月2日)

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